2019-03

峰彩花

人間の錆び

 数日前、関西に住む姉が今月の初め救急車で運ばれ「危ない」状態だと電話が来ました。  翌日様子を見に行きました。十数年ぶりに姉に対面したら別人の顔でした。鼻からチューブを入れられ、医者からは3週間の命と言い渡されているといいます。  義兄が昨年亡くなってから、知らない地に引っ越し、息子と二人暮らしの生活をしていました。会話がなくなって食もなく、動くことさえ面倒になりだんだん細っていったらしいのです。  姉に一生懸命昔の話を話しかけてみました。  手を握ったり、指を触って 「お父さん、お母さん、Y江、K次、K子、F子」 と、両手を使って数えたりして遊びました。  すると、昼には自分で箸を持ち白いご飯と梅干しを食べたいというのです。看護師さんに頼んだら、ご飯を3口、魚を1口、青菜のゴマ和えを1口食べました。  食事も1口食べたら、「えらいえらい、すごいすごい!もう少し、あと1口」 と掛け声をかけて摂らせました。  褒めたり、手を握ったり、頭をなぜたり、顔にニベアを塗ってきれいきれいしたり。ふだん3歳の子供と遊んでいて良かったと思いました。看護・介護は、幼...
南田緑香

草木のチカラ

 わたしが毎日散歩する通り道に、老朽化して壊すことが決定している市営の団地があります。  昭和40年代に建てられた2階建てのコンクリートの住居です。各戸にけっこう広い庭が付いています。  まだ住まわれている方もおられるので工事は始まっていませんが、部屋が空くと、その後は埋まることがありません。  雨戸が立てられた部屋が増え、草木が抜かれ、夏の間は黒い雑草よけのシートで庭が覆われます。  そんな寂しい住宅の庭。雑草よけシートが冬の間に破れ、剥がれ、今、むくむくと草が伸び、花が咲き始めました。  植物は強い!  かつての住人が植えた草の根が残っていたのでしょうね。たくましい草花を見ているとなんだか、パワーが湧いてきます。 南田